パスサッカーの素晴らしさ

2015年09月03日 00:00

新チームが発足して1ヵ月が過ぎました。

練習試合は合計で8チームほどとこなしましたが、勝ったり、負けたり、なかなか安定はしません。

新人戦が近づいています。
新人戦は、サッカーの質にこだわらず、割りきって戦えばある程度勝つことも(もしかすると)可能かもしれません。
すなわち、守備をガチガチに固めて、カウンターを仕掛ける。まだ新人戦はどのチームも、フィジカル的にパンチ力がないので、守りを固めれば意外なほど失点は減ります。

前線に3人ほど残して、カウンターの勢いに任せれば、逆に相手を脅かしてしまうこともできます。

しかし、このような個人能力頼みのサッカーは、春頃には頭打ちになってしまいます。

相手チームにとっては、うちのキーマンさえ潰せば、それでおしまいです。

例えばセンターフォワードのA君、ウイングのB君、トップ下のC君だけで攻める、個人力頼みのサッカーをしていたとすると、せいぜい勝てても新人戦まで。
そこからいかに早く脱却するかが問われています。

そのためには、ピッチ全員が起点になれる技術力の高さが求められます。

するとA君にマークが集まれば、D君、という新たな選択肢が生まれます。D君はE君に横パスを入れ、E君はマークのずれた敵のギャップをつくスルーパス。すると、マークが外れたキーマンのB君が走り込み、いい形でボールを受けたB君の突破が決まり、クロスが上がる。
マークされているA君の後ろからF君が走り込んでシュート!キーパーに弾かれたところを走り込んだC君が押し込みゴール!

こんなサッカーができたら最高ですね。
そのためには、個人能力頼みのサッカーから早く脱却することです。

そのためのお手本は、今まさに3年生が見せてくれています。
1年前のチーム発足時以来、このブログでも今の3年生の練習(ミニゲーム)を、『質の低い個人能力頼みのサッカー』と書きました。

そこから1年。今の3年生は楽しそうに、ダイレクト、2タッチ、3タッチを駆使しながら軽々とプレーしています。驚くのは2年生の途中から入部した選手も、このゲームの輪の中に普通に馴染んでいることです。

そりゃそうです。

個人技に頼らず、どんどんパスを回すわけだから、不得手な選手にも当然平等にパスは回ってきます。
だから全員のプレーが平等に成長していく。
気づけば、試合のなかでは誰もがキーマンとなり、的をしぼらせないサッカーが、この1年で出来るようになってきました(もちろんまだまだ未熟ですが)。


しかし、不思議なことがあります。3年生はこの1年間で、シンプルにボールを離すことを覚え、個人技に頼る練習をやらなくなりました。

そうなると今度は、選手の個人能力が伸びないのではないかと思われます。

ところが結果はそうなっていません。新チーム発足の1年前より、夏の大会が終わった今の方が、遥かに多くの選手が選抜の選考会にリストアップされてます。

個人能力は、1年で格段に、他のチームと比較しても成長しているのです。

ここがサッカーの奥の深いところ。ドリブルのうまい選手がドリブルばかりしても、実はドリブルはあまり上手くなりません。それどころか次第に敵に止められるようになってしまうのです。

しかし、パスワークを覚えた選手のドリブルは、面白いように決まります。『ショートパスが出せる』というのが、ドリブルにおける最大のフェイントになるからです。

仲間とパスを回す楽しさを覚えた選手は上手くなる。

それに、そもそもサッカーという競技の最大の楽しさは、仲間とボールを交換して、友情を信頼を育むところにあります。
一番楽しくて、一番うまくなる方法が、パスを回すサッカーなのです。
各々が勝手がってにドリブルばかりするサッカーで、信頼も友情も芽生えるはずもない。上手くもならない。

3年生は1年かけてこの次元に辿り着きつつあるようです。
そして今もテンポの良いパスゲームのようなミニゲームを、毎日飽きることなく続けています。
山城選抜にも、更に数名が追加合格するかな?と期待してます(希望)。

3年生が目指すべき次の次元は、勝負の厳しさのなかでどこまでハードに戦えるようになるか、というところでしょうか。

1,2年生はまだまだ、パスを簡単に交換するという発想と、技術のない選手の集まり。

だから、前線の選手の強引な突破(そもそもこれもパスというフェイントがないぶん止められやすい)が封じられたり、誰かが怪我をした途端に勝てなくなるでしょう。
でも、3年生だって去年の今頃そうでした。

朝練から2年生はミニゲームをしています。パスゲームの質が上がれば、個人の力がより花開く面白いチームになれると思います。


どこまでやれるかは選手次第です。
でも2年生は、全員で声を出しながらまとまりのある雰囲気を必死にみんなで作り出そうとしています。
その姿勢は、これまでの新チーム発足時では一番好感の持てるものです。

サッカーノートも書き始めました。殻を破るための挑戦は始まっています。今はほんの少しだけ、小さなヒビが殻に入った、というところでしょうか。

ですから、今はまだまだでも、頑張り続ければ絶対に強くなります。
(実はこのブログで書いたことはけっこう現実になることが多いのです。現高1が夏の決勝まで上がったときも、春に『夏は必ず決勝へ』と書いています。あの時は決勝に出れば奇跡でしたが、有言実行できました)。


新チームは、新人戦ではまだまだ未熟な姿をさらしてしまうかもしれませんが、1年かけて成長する姿を必ずお見せします。
応援よろしくお願いいたします。